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2026.10.21

Part1 ニチレイグループのウェルビーイング経営とは

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特集:健康を守る、その先へ。ニチレイグループのウェルビーイング経営

Part1 ニチレイグループのウェルビーイング経営とは

「従業員一人ひとりの健康が、ニチレイグループの持続的な企業成長の基盤を支え、働きがいの向上にもつながる」。
そうした考えのもと、2015年に「健康推進グループ」を立ち上げ、従業員の健康を保持・増進する取り組みを積み重ねてきました。
2024年には「ウェルビーイング経営推進室」へと改組し、病気やけがを防ぎ心身の健康を守ることに加えて、“働きやすさ・働きがい”の実現を目指しています。
なぜニチレイグループは、健康経営からウェルビーイング経営へと歩みを進めてきたのか。
その背景にあるウェルビーイング経営推進室の思いや、今後の目指す姿に迫ります。

プロフィール画像

ニチレイ
ダイバーシティ推進部
ウェルビーイング
経営推進室
室長

酒井 麻路

従業員の健康は、従業員だけの問題ではない

ニチレイグループが健康経営の取り組みを本格化したのは、2015年のこと。

持株会社体制が始まった2005年当時、ニチレイグループでは従業員の健康管理における責任主体が不明確となっていました。また、「従業員の健康に企業が積極的に関わる」という考え方が社会全体でもニチレイグループ内でも、あまり浸透していなかった時代でした。

そんな中、2012年からの3年間で、「業務を原因としない病気やけが(私傷病)による従業員の現職死亡」が継続して発生。

ニチレイグループはこの状況を重く受け止め、2015年に持株会社であるニチレイに「健康推進グループ」を設置することになりました。

翌年には「ニチレイグループ健康宣言」の策定および「グループ健康管理基準」を制定いたしました。さらに、持株会社に最高健康推進責任者を定め、グループ内の各事業会社には、健康推進責任者・担当者を任命。

こうして、従業員の健康を個人だけの問題とせず、“会社として責任を持って支える体制”を整えていきました。

個人の健康管理から、組織全体の健康へ

健康診断受診の徹底と、受診後の要対応者への事後措置の徹底、重症化の予防———。
ニチレイグループで働く一人ひとりへの支援を進めることで、健康管理の基盤は少しずつ整っていきました。

さらに2018年には、「ニチレイ健康推進センター」へと改組。
持株会社の一部署としてではなく、グループ各社を横断して健康経営を支える組織として、その位置づけを改めました。

その後は、従業員の健康診断受診率100%を継続。ストレスチェックの受検や産業保健師による面談、保健指導などにも力を入れてきました。
しかし一方で、新たな課題も徐々に浮かび上がってきていたと言います。

酒井

健康上の課題を抱えている方に個別にアプローチをかけることは、もちろん大切です。でもそもそも健康状態はすぐに変わるものではありません。また、個々の対応だけに集中している間にも、別のところで新たな健康課題が生まれる可能性がある。いわゆる、個々の課題が生じるたびに対応を繰り返す、モグラ叩きのような状態になってしまいます。だからこそ、一人ひとりの健康状態を把握し、対応するだけでなく、その健康課題が生まれる背景にある職場や組織にも働きかける必要があると分かりました。

個々の健康にアプローチするだけでなく、組織としての健康度を高めていく。
取り組みの対象を個人から組織へと広げる中で、「何をもって健康と捉えるのか」という問いにも向き合うようになりました。

酒井

例えば健康診断の数値に問題がなく、身体的には健康であっても、必ずしもその方が「いきいきと働けている」とは限りません。反対に、心身の状態や特性にかかわらず、本人が安心して能力を発揮できていることもある。つまり健康は、数値だけでは分からないものです。そこで、「健康を土台にしながら、働きやすさ・働きがいも含めて、一人ひとりが力を発揮できる組織づくり」を目指す必要があると考えました。

そこで2024年4月、専任部署を「ウェルビーイング経営推進室」へと改組することに。
安全衛生や健康管理を引き続き大切にしながら、働きやすさや働きがいの施策も広げています。
さらに2026年4月には、従来の健康宣言を「グローバルウェルビーイングポリシー」へ改正。全世界のグループ従業員に取り入れやすい3つの方針を定めました。

海外では、従業員の健康情報を会社が保有しない場合もあり、制度や考え方が日本とは異なります。
そのため共通の宣言を一律に展開するのではなく、グループの“方針”として定めることで、各国・各社がそれぞれの実情に合わせて落とし込めるようにしました。

現場の声を起点に、ウェルビーイングを育てていく

ウェルビーイング経営推進室では、グループ全体の方針策定や重点施策の企画・展開を行う「企画推進担当」に加え、従業員一人ひとりに寄り添った専門的支援を行う「産業保健師」が所属しています。

ウェルビーイング経営推進室のメンバーたちはこれまで、健康課題や働き方に関するさまざまな重点施策を展開。
実施後は従業員アンケートや関係者からのフィードバック、経済産業省の「健康経営度調査」などをもとに見直しを重ねてきました。

では、それらの重点施策は一体どのように決めているのでしょうか。
その一つが、「まるコミ」の活用です。「まるコミ」とはニチレイが実施する「まるごとコミュニケーション」という会議の略で、会社や部の目標を部署ごとに共有する場です。

ここで、ウェルビーイング経営推進室のありたい姿や重点施策について企画推進担当と産業保健師が年に2回話し合うというもの。対話を通じて施策を検討・実行に移し、従業員の声をもとに改善する。その過程で、重要な役割を担うのが、産業保健師です。

酒井

ニチレイグループの事業所は北海道から沖縄まで全国各地にあり、従業員数や業務内容、想定される健康上のリスクも異なります。そこで産業保健師のほかにも、全国各地に「委託保健師」を配置し、グループ全体として一貫した水準での健康支援を行ってきました。従業員一人ひとりの声を聞き、産業医との橋渡しを行う立場として、産業保健師の皆さんは欠かせない存在です。

産業保健師が事後措置面談や保健指導などを通じて拾い上げる情報は、個々の健康上の困りごとだけではありません。
「職場で何が起きているのか」「グループとしてどのような課題があるのか」。
個人ではなく組織としての課題も拾い上げ、企画推進担当と産業保健師が共に重点施策を考えていけることが、ニチレイグループの健康経営の大きな魅力だと酒井は語ります。

さらに、ウェルビーイング経営推進室が見据えるのは、従業員のウェルビーイングにとどまりません。

酒井

ニチレイグループが事業を続けていくためには、消費者や地域の方々、取引先をはじめ、多くのステークホルダーの存在が欠かせません。だからこそ、ニチレイグループの従業員だけにとどまらず、サプライチェーンを含めたニチレイグループと関わるすべての方のウェルビーイングに貢献していく必要がある。そして、ニチレイのブランド価値そのものをさらに高めていきたいと考えています。

従業員の命と健康を守ることから始まった、ニチレイグループの健康経営。

その歩みの中で見えてきたのは、「健康上の課題に個別に対応するだけでは、一人ひとりが力を発揮できる組織にはならない」ということでした。

健康を心身の状態だけで捉えるのではなく、その背景にある職場や組織にも目を向け、「働きやすさ・働きがい」まで含めて支えていく。その考え方の広がりが、健康経営からウェルビーイング経営へ歩みを進める転換点となりました。

そして今、その対象は従業員だけでなく、ニチレイグループと関わるステークホルダーへと広がろうとしています。

【Part2 時代とともに広がる健康経営のかたち】(11月公開予定)では、2015年から現在までに展開してきた具体的な取り組みと、その背景をご紹介します。

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