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2025.08.21

Part2
未来の冷凍食品のあり方を体験できるレストラン
55年の時を経て復活した「テラスニチレイ」とは

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特集:冷凍食品の未来を先取り!万博×ニチレイフーズ

Part2
未来の冷凍食品のあり方を体験できるレストラン
55年の時を経て復活した「テラスニチレイ」とは

1970年の大阪万博で、冷凍食品を使ったレストラン「テラス日冷」を出店したニチレイ(当時:日本冷蔵)。2025年の大阪・関西万博では、ニチレイフーズが55年ぶりにレストラン「テラスニチレイ」を出店しました。

今回は、開幕後から多くのお客様にご好評いただいている「テラスニチレイ」の提供メニューに込められた思いや、開発へのこだわりを紐解いていきます。

1970年 大阪万博での「テラス日冷」の出店背景とその後を追う【Part1 1970年にプレイバック! 外食産業の変革に繋がったニチレイの挑戦】もチェック!

ニチレイフーズが考える 冷凍食品の新たな可能性を伝えたい

ニチレイ(当時:日本冷蔵)が1970年の大阪万博で出店したレストラン「テラス日冷」は、業務用冷凍食品を来客に応じてあたためておいしい料理を迅速かつ安定的に大量に提供したことで、多くのお客様からご好評いただきました。

そして今回の大阪・関西万博では、55年ぶりにレストラン「テラスニチレイ」が復活。
ニチレイフーズの万博担当である原山は、その復活の背景にはこんな思いがあったと語ります。

プロフィール画像

ニチレイフーズ
ライン&マーケティング
戦略部 マーケティング部
マーケティンググループ
マネジャー
兼 テラスニチレイ 店長

原山 高輝

原山

大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。このテーマのもと、ニチレイフーズが考える未来の冷凍食品のあり方をお伝えすることで、数年後・数十年後に「『テラスニチレイ』をきっかけに冷凍食品のステータスが一段階上がった」と感じていただける機会にしたい。今回の出店にはそんな思いが込められています。

「テラスニチレイ」が位置するのは、「EARTH TABLE~未来食堂~」。これは、万博会場の中央エリアにある緑豊かな空間「静けさの森」に隣接する食の未来を体感できるレストラン棟です。

そんなエリアに出店している「テラスニチレイ」がお届けする冷凍食品の未来とは、一体どのようなものなのでしょうか。その内容を紐解いていきましょう。

調理から提供までたった数分の「スペシャル炒飯」! 飲食店の人手不足への貢献にも期待

ジューシーな焼豚と、大きいえび、卵に、隠し味として貝柱の風味が加わった炒飯。なんとこちら、たった数分で、パラパラ食感と香ばしさをお届けすることができるんです。

えびは、グループ会社であるニチレイフレッシュが取り扱う「こだわり素材」を使用しています

実はこちら、家庭用冷凍食品のように、電子レンジで加熱しているわけではありません。それでは一体どうやって、わずか数分で提供しているのか。その答えは、TechMagic株式会社の最新炒め調理ロボット「I-Robo2」を使った、自動炒め調理にありました。

原山

「スペシャル炒飯」は、ニチレイフーズの工場で調理した炒飯を、仕上げに具材と一緒に自動炒め機でしっかり炒めることでおいしくご提供できるよう逆算して作られています。

また、冷凍炒飯の配合や自動炒め機の温度、炒め時間、味付けのタイミングなどの条件もテラスニチレイで提供する「スペシャル炒飯」独自にプログラム設定しています。



急速凍結して最高の状態でキープした冷凍炒飯と、調理の均質性を保つことのできるロボット、それぞれの良いところを掛け合わせることで、いつでもどこでも誰でも一定の品質でおいしい炒飯が作れるんです。これらは、飲食店での人手不足の解消にもつながると考えています。

冷凍食材と、調理ロボットの良いところを掛け合わせ、飲食店の人手不足を解消する「スペシャル炒飯」。
原山は、この「スペシャル炒飯」を通じて、ニチレイの本気を味わってもらいたいと語ります。

原山

あのロングセラー商品『本格炒め炒飯®』を作っている、炒飯のスペシャリストのニチレイが、本気を出して作った炒飯が「スペシャル炒飯」です。絶対おいしい! というニチレイの本気を味わっていただきたい。そんな思いで作りました。お客様の中には、ひと口食べてそのレベルの高さに驚かれる方もいらっしゃいます。

厳しい暑さにひんやりスイーツでアプローチ。 凍っているのにやわらか食感の「凍ったまま食べられる今川焼」

大阪・関西万博といえば、暑さ対策も注目の話題の一つ。
地球温暖化やヒートアイランド現象なども深刻化する中、会場内には無料の給水スポットや日陰・休憩スペース、スポットクーラーなども設置されています。

そんな厳しい暑さを手軽に凌げるよう、ニチレイフーズは新しいアプローチに挑みました。それがこちらの「凍ったまま食べられる今川焼」です。

一見、見慣れた今川焼に見えるこちら。実は、電子レンジ調理や自然解凍をせず、凍ったままでもアイス感覚で楽しむことができるんです。

さらに、京都宇治抹茶を使用した生地にあずきあんを包んだ、日本らしさを感じる味も特徴の一つ。スーパーマーケットなどで販売している冷凍の「今川焼」は、冷凍庫から出した直後は歯が入らないほど硬い状態ですが、「凍ったまま食べられる今川焼」の場合は生地の水分や糖度を工夫することで、凍ったままでもしっとりとやわらかな食感を実現しました。

原山

冷凍食品といえば、「電子レンジで温めて食べるもの」というイメージがあるかと思いますが、冷凍したままのしっとりやわらかな食感をぜひ会場で味わってみてください。

果実丸ごとだから、サステナブルな「アセロラMixスムージー」

ニチレイフーズといえば、アセロラも。

アセロラは、高温で強い紫外線が降り注ぐ過酷な環境から身を守るため、ビタミンCなどの抗酸化成分をたくさん含んでいます。一方で、品質管理が難しく、通常は収穫から2~3日しか鮮度が保たれません。そこでニチレイフーズは冷凍技術で、アセロラの豊富なビタミンCを損なうことなく輸入しています。

「そんなスーパーフルーツ・アセロラを、余すところなく使いたい」という思いから、果肉はもちろん、種も皮も余さず丸ごと使用したのが「アセロラMixスムージー」です。

原山

「アセロラMixスムージー」は、果肉、皮、種をすべて使用することで、アセロラの果実まるごとの栄養をそのまま摂ることができます。また、果実すべてを使用しているのでフードロス削減を目指した、環境と健康に配慮したドリンクです。実は、アセロラだけでなく、食用されにくいブロッコリーの茎の部分なども配合しており、おいしくサステナブルなスムージーです。

冷凍食品の可能性を広げ、お客様にもっと豊かな暮らしを

自動炒め機での調理によって、飲食店の人手不足に貢献する、「スペシャル炒飯」。
夏の厳しい暑さ対策にも喜ばれる「凍ったまま食べられる今川焼」。
食材をまるごと使い、フードロス削減に貢献する「アセロラMixスムージー」。

未来の課題解決に貢献するこれらのメニューは、そのおいしさもあいまって、お客様からもご好評いただいています。

原山

「テラスニチレイ」にお越しいただいたお客様の中には「冷凍食品もここまで来たか!」というお声もありました。これからもお客様の期待を超えるような商品を展開していきたいですね。そして消費者の皆様が時間にゆとりを持ちながら、より幅広いメニューから食べたいものを選択し、豊かな暮らしを実現できる。そんな未来を作っていきたいです。

店内の壁面には冷凍食品の歴史が学べる展示も

【Part3 ニチレイフーズが考える冷凍食品の未来(仮)】(9月公開予定)では、小山薫堂さんプロデュース・シグネチャーパビリオン「EARTH MART」にてニチレイフーズが技術協力する「進化する冷凍食」についてご紹介します。

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