Part3では、休耕田の復田に貢献し、飼料米を通じて地域と密接につながっている『純和鶏』の生産サイクルをお伝えしました。
Part4では、より多くの方に『純和鶏』を手に取っていただくための、営業社員の奮闘をお伝えします。
唯一無二のおいしさを知ってほしい
「『純和鶏』の営業をスタートした当時は、お店の卸担当の方に『純和鶏』の話をしても『国産や地鶏と何が違うの?』と首を傾げられるばかりでした。産地の違いや養鶏の難しさなど、一つひとつご説明して回るしかありませんでした」
そう振り返るのは、『純和鶏』ブランドが誕生した年にニチレイフレッシュに入社した、いわば『純和鶏』ブランドの成長とともに歩んできた営業の濵﨑。関西エリアのスーパー・小売店・生協へ『純和鶏』を営業して回る中で、どうすれば『純和鶏』の魅力を知っていただけるか、さまざまな試行錯誤があったと言います。
営業統括部 東日本支社
畜産第一グループ
国内加工流通チーム
リーダー
濵﨑 竜二
でも、『純和鶏』の何よりの魅力は、やはり「おいしさ」ではないか――。
「『純和鶏』のおいしさは唯一無二。私も初めて食べた時は衝撃を受けました。一番おいしい食べ方で味わっていただけたなら、各店舗の担当者さんにもご納得いただけるんじゃないかって」。
そう振り返るのは、商品企画を担当した北川。実はスーパー・小売店などに営業にお伺いする際、営業担当者は自ら鶏肉を調理して、鶏肉のおいしさを知っていただいています。
ニチレイフレッシュ
畜産事業部 第一グループ
食鳥グループ 主任
北川 大暉
北川は大の料理好き。そのことが功を奏し、部位ごとに適した調理法を見つけ出して、営業社員に調理法を伝授。時には自らも顧客に対するプレゼンの試食調理を行いました。
北川
魅力をわかりやすくお伝えする“お墨付き”が欲しい
営業社員の努力や「飼料米プロジェクト」をきっかけに獲得した特色JAS認証の反響もあり、『純和鶏』の採用案件は徐々に増えていきました。
北川
ニチレイフレッシュが挑戦したのは、国内外での認証を獲得すること、言わば「おいしさ」を客観的に証明することでした。
1つは日本初の食品・食材評価制度「JAPAN FOOD SELECTION」。食材やレストラン、食文化、食のトレンド情報を総合的に解説できるプロフェッショナル“フードアナリスト”が、味そのものはもちろんのこと、日本人の繊細な味覚・嗜好性・感性・食文化に配慮しているか、ブランディングは適切かなど、さまざまな面から評価します。
2020年、『純和鶏』は初めてエントリー。
そして結果は…最高位のグランプリ。
鶏肉におけるグランプリ獲得例はまだ少なく、審査員からは「鶏肉のイメージを変える逸品」など、画期的な評価が多数寄せられました。
もう1つはInternational Taste Institute(国際味覚審査機構、以下ITI)という、世界中の食品・飲料品の味の評価および認定を行っている機関の認証です。審査員はヨーロッパの調理師・ソムリエ協会に所属する著名なシェフとソムリエが務め、目隠し方式で官能評価を実施してその味を評価します。
ニチレイフレッシュは審査が行われるベルギーまで鶏肉を運び込み、官能評価を受けました。
その結果、むね肉について、最高位の優秀味覚賞「三ツ星」を受賞しました。総合評定は100点中92.5点というハイスコアです。
さらに2021年の初受賞に続き、2022年、2023年も連続して「三ツ星」を受賞し、3年連続「三ツ星」受賞が対象となるクリスタル味覚賞も獲得しました。
国内外から認められた『純和鶏』。商品企画に携わった北川はその時の感動をこう振り返ります。
北川
日本の食卓のために生まれた『純和鶏』は、世界でも高い評価を受けました。食の一流たちが評価したのは、どのような点だったのでしょうか。
審査員が唸った『純和鶏』の肉質とは
「JAPAN FOOD SELECTION」とITI、共に高評価をいただいたポイントに、『純和鶏』の歯応えがありました。一般的に流通するブロイラーと『純和鶏』の筋繊維を比べてみましょう。
(左から)ブロイラーの筋繊維、『純和鶏』の筋繊維
ブロイラーも『純和鶏』も、同じ縮尺で撮影したものです。
『純和鶏』の方が、筋肉の筋がきめ細かく入っていることがわかります。
北川
しかし『純和鶏』には、発売当時の社員でさえも知らなかった魅力が秘められていました。
「おいしさ」と「健康機能」、2つの価値でファンを増やしたい
実はニチレイフレッシュ内で分析・研究を進めた結果、疲労回復物質の一つ「イミダゾールジペプチド」の含有量が、一般的なむね肉と比較して『純和鶏』には1.5倍含まれていることがわかりました。
この「イミダゾールジペプチド」は、人や動物の体内に存在し、一時的な疲労感を軽減する機能があることが報告されています。特に何万キロも飛び続ける渡り鳥や、常に泳ぎ続けるマグロなどの体内には、「イミダゾールジペプチド」が豊富に含まれているんです。食品として食べると筋肉の中に蓄積し、運動パフォーマンスを向上させることが確認されています。
『純和鶏』 のむね肉は22年10月14日、もも肉は23年2月17日に、機能性表示食品として届け出を行いました。
特色JAS認証、「JAPAN FOOD SELECTION」でのグランプリ獲得、ITIでの三ツ星という3つのお墨付きと、機能性表示食品という大きな冠を得た『純和鶏』は、なかなか採用が決まらなかったお取引先からも興味を持っていただけるようになりました。
現在は関東を中心としたスーパーで『純和鶏』『純和赤鶏』という名前で手に取っていただくことができます。
『純和鶏』を採用いただいているお客様より
株式会社アサヒブロイラー
三越日本橋精肉売店 店長 坂詰 宏之様
販売名称:純和鶏あさひ
夏はさっぱりとしたむね肉を中心に、時短調理ができる味付け済みのもも肉の取扱量を増やしています。冬は鍋需要に向けて、骨付きもも肉のぶつ切りを提供しています。ブロイラー種よりも味わい深く、かつ臭みが少ないことや、地鶏にはない柔かさを持ち合わせている『純和鶏』は、水炊き鍋にぴったりです! 実際にご購入いただいたお客様からも「おいしかったよ」といった感想をいただいています。
1人でも多くのお客様へ『純和鶏』を手に取っていただけるように、魅力をアピールしていきます!
挑戦が切り開く、新しい食の可能性
2004年にアジアを中心に鳥インフルエンザの発生が確認されてからというもの、その猛威は年々勢いを増し、親鶏や飼料が輸入停止になるリスクが迫っています。濵﨑は話します。
「『純和鶏』の取り組みを聞いた当初は、『海外に病気が蔓延して輸入が停止する』なんて世界線は想像できませんでした。しかし、昨今では日本国内で毎年のように鳥インフルエンザが流行していますよね。時代の先を見据え、地域と手を取り合って育成に取り組むニチレイフレッシュの挑戦は、日本の食卓に大きな価値を発揮していけると信じています」。
「おいしさ」「健康」「鶏肉の安定供給」「地域の持続可能性」。
養鶏の経験がなく、一からの挑戦となった『純和鶏』は、道のりの中でさまざまな価値を生み出しています。
ニチレイフレッシュはこれからも、手にする全ての皆さまと生産地のことを想いながら、日本の食文化を守る商品をお届けしてまいります。
鶏肉担当社員のこぼれ話
北川
Part1もご覧ください!