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2026.05.27

Part3 すみだ水族館×ニチレイが描くこれから

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特集:いきものの未来を守る、小笠原村とニチレイの物語

Part3 すみだ水族館×ニチレイが描くこれから

ニチレイは2025年8月、すみだ水族館と、生物多様性保全に関する連携協定を締結。ニチレイの社有地がある東京都小笠原村の生態系保全活動などに取り組んでいます。
9月には、小笠原諸島の父島を訪れ、アオウミガメの保全活動や海岸での清掃活動などを実施。小笠原の美しい自然といきものを守りつづける意義をあらためて実感する機会となりました。

今回は、すみだ水族館スタッフの藤原さんとニチレイ サステナビリティ戦略部の飯塚が「連携によって描く今後の生物多様性保全の取り組み」について話しました。

父島で行った生物多様性保全活動を振り返る、【Part2 美しい海を守る アオウミガメの保全活動レポート】もチェック!

プロフィール画像

すみだ水族館
飼育スタッフ

藤原さん

プロフィール画像

ニチレイ
サステナビリティ戦略部
グローバル・
サステナビリティ
統括グループ
アシスタントリーダー

飯塚 ゆい

協業を通じて浮かび上がった すみだ水族館とニチレイの共通点

Q. すみだ水族館では、小笠原諸島にまつわる展示やイベントを多数展開されていますが、その活動はいつ頃から始められたのでしょうか。

藤原さん

2012年の開業当時からです。小笠原諸島は、東京都心から1,000kmも離れており、行くためには船で24時間程かかるなど、なかなか簡単には足を運べないという方もいらっしゃいます。開業の前年には小笠原諸島が世界自然遺産登録されたこともあり、「同じ東京都として、小笠原諸島の美しい自然や海、豊かないきものの魅力をもっとお伝えしたい」という思いが始まりでした。



Q.すみだ水族館とニチレイが、生物多様性保全に関する連携協定を締結した背景を教えてください。

藤原さん

すみだ水族館では、未来を担う子どもたちに生物多様性や自然環境・いきものへの興味関心を深めるきっかけをつくる活動「AQTION!」に取り組んでいます。その一環として、小笠原に生息するいきものが泳ぐ「小笠原大水槽」の展示や、アオウミガメの赤ちゃんの保全活動など、小笠原諸島の魅力発信を続けてきました。近年は、小笠原諸島のいきものの展示だけでなく、産業観光、教育なども含む多面的な情報発信を行う常設展示「オガサワラベース」の新設や、小笠原村と連携したイベントなどにも取り組んできました。

2023年9月末に新設された、小笠原諸島を身近に体感できるエリア「オガサワラベース」

藤原さん

さらに2024年からは、小笠原村や各所関係団体さまの協力のもと、毎年6月に小笠原の魅力を伝えるイベント「すみだボニンアイランド」を継続実施してきました。その後、小笠原村の産業観光課長さまを介してニチレイさんに当館をご紹介した際に、「AQTION!」の活動に興味を持っていただいたことがきっかけで、交流が深まっていったんですよね。

飯塚

そうですね。私たちニチレイはこれまで、父島にある社有地を自然保護や地域活動などにご活用いただいておりました。2022年からはサステナビリティ基本方針「ニチレイの約束」を制定し、持続可能な社会の実現に向け、社会との共生、気候変動への取り組みや生物多様性の保全などにも取り組んでいます。そんな中、すみだ水族館さんのサステナビリティ推進プロジェクト「AQTION!」を知り、「すみだ水族館さまと連携させていただくことで、企業1社だけではできない新しい取り組みにも挑戦できるのではないか」という思いから、協定を結ぶ運びとなったんです。

Q. 協定締結を受けて、お二人が感じたことをお聞かせください。

藤原さん

ニチレイさんのことは冷凍食品や水産品などで存じ上げていましたが、父島にある社有地にまつわる歴史や、さまざまな事業内容については、この協定をきっかけに知りました。「あんなことやこんなことまで!」と驚きと発見の連続でしたね。

飯塚

そう言っていただけてうれしいです。ニチレイグループは、食品事業だけでなく、物流事業など「食」を中心にグローバルで多岐にわたる事業を展開し、農産・畜産・水産資源をはじめとした生物多様性から生み出される地球の恵みによって成り立っています。つまり、「生物多様性の保全」は、われわれの事業と切っても切り離せないものです。そんなニチレイが、社有地のある父島で、小笠原村のいきものの魅力発信や保全活動をされてきたすみだ水族館さんと共に取り組める。そう思うと、すみだ水族館さんとは、これまで意識していなかった接点や共通点があったのだと気付きました。

行って・見て・触れて実感した保全活動

Q. 協定締結後、共に取り組んできたことを教えてください。

飯塚

すみだ水族館のスタッフの皆さんが館内で育てたアオウミガメの「ハート」と「ロック」を地元・小笠原の海に放流するタイミングがちょうど協定締結の翌月だったので、そのイベントにあわせて私たちも同行させていただきました。「まずは行ってみなければ!」という思いでしたね。アオウミガメの甲羅磨きや給餌体験、埋卵体験などを通じて、絶滅危惧種であるアオウミガメの生態を学ぶことができました。今回の渡航で、小笠原村の美しく豊かな自然がいきものを育て、守っているということをあらためて実感しました。

館内の「オガサワラベース」では、2025年9月からの約1年間、新たにお預かりしたアオウミガメの「朝日」と「夕日」が見られる

藤原さん

ニチレイさんが渡航にご一緒してくださると知り、皆さんの行動力に驚かされましたね。また、10月からは生物多様性を学んでもらうお子様向けのワークショップ「オガサワラマーカー」も館内で展開しました。小笠原に生息するいきものの特徴を学びながら親子で一緒にマーカー(紙クリップ)を完成させるというもので、父島でもお配りしたのですが、かなりのご好評をいただきました。自然や地域社会の大切さを感じていただける機会になったと思います。

親子でつくれるオガサワラマーカー(左)のほか、すみだ水族館とニチレイの連携協定と活動内容をご紹介する、オリジナルリーフレット(右)も作成

オリジナルリーフレットのPDFはこちら


Q. 実際に小笠原村に訪れてみて実感したことや、新たな気づきはありましたか。

飯塚

私は今回初めて小笠原村に訪れたのですが、実際に行ってみると海辺も陸地も本当に自然豊かで驚きました。また、地元の方々とお話しさせていただく中で、おひとりおひとりが小笠原を愛し、自然やいきものを守っていきたいという強い思いを感じました。社内にも小笠原諸島のファンが何人もいて、「ここにしかない魅力がある」と聞いていたのですが、その真意が分かった気がします。

藤原さん

皆さんに小笠原をたっぷり体感いただけて何よりです! 私自身、今まで小笠原諸島には10回以上訪れているのですが、ボニンブルーと呼ばれる深く透き通った青い海と、そこに浮かぶ島が船上から見えたとき、毎回のようにワクワクさせられるんです。アクセスには時間がかかりますが、実際に行ってみるとその距離や滞在期間の長さがかえって魅力的に思えたりして。行くたびに新たな発見が得られる、魅力的な島だなと思います。

生物多様性保全のために 共にできることを探していく

Q. 最後に、これからの活動への思いをお聞かせください。

藤原さん

今後はまず、皆さんに「小笠原諸島はどんな場所なのか」「どんなことができるのか」を知っていただき、そこから「豊かないきものや自然を残すためにどうすれば良いのか」を考えるきっかけになったら良いですね。積極的にチャレンジしてくださるニチレイさんだからこそ、「共にたくさんのことを一緒に実現していきたい」と強く思います。ぜひこれからもお互いのノウハウや知見を掛け合わせて、この連携を有意義なものにしていきたいと思います。

飯塚

私たちも、すみだ水族館スタッフの皆さんから、いきものへの愛情をひしひしと感じ、日々刺激をもらっています。自然やいきものに対して真摯に向き合っていらっしゃる皆さんとともに活動をさせていただけて、大変光栄です。まずは小笠原村の魅力や生物多様性の意義が学べる従業員向けの勉強会を設けるなど、お子様だけでなく大人向けの活動も視野に入れていけると良いなと思っています。私たちニチレイも「小笠原村の生物多様性保全のためにどんなことができるのか」を模索していきますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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