電子レンジで冷たく仕上がる新感覚の冷凍麺商品「冷やし中華」は、2022年の販売開始以降、春夏限定商品にも関わらず大きな反響をいただいています。
これまでに寄せられたお客様の声をもとに、2024年3月1日より「冷やし中華」を発売。2024年のリニューアルの背景と、おいしさのポイントを伺いました。
「冷やし中華」の誕生ストーリーはこちらをチェック!
販売開始。それはリニューアルのスタート
家庭用や業務用など、さまざまな冷凍食品を取り揃えているニチレイフーズ。
変わりゆく生活様式やその時々のニーズに応えるために、商品開発や販売後のリニューアルに取り組んでいます。
昨今は、食事のタイミングや場所、味やメニューの嗜好が多様化し、一人ひとりが食べたいもの、好きなものを自由に食べる食シーンが広がっています。従来の範疇や業態の垣根を越えて拡大する「個食」のニーズを、ニチレイフーズでは “パーソナルユース需要”と捉え、商品ラインアップの充実を図ってきました。
(冷凍食品のトレンドについては、【Part1 日本冷凍食品協会に聞いた! 注目のトレンドとは】をご覧ください!)
中でも「冷やし中華」は、電子レンジで冷たく仕上がるというこれまでにない特徴を持った商品です。2022年3月の販売以来、SNSなどでは大きな話題となりました。
商品画像はイメージです。
しかし、発売前の構想段階から「冷やし中華」に携わる、商品企画担当の蟹沢は満足していませんでした。
ライン&マーケティング戦略部
商品第一部
新価値グループ
蟹沢 壮平
蟹沢
蟹沢は、お客様相談センターに寄せられた声に日々目を通し、改善点を検討してきました。発売から3年目となる2024年春夏のリニューアルに向けては、前年の商品発売開始と同時にアンケートを実施。ご購入いただいた約1,000人のお客様から率直なご意見を集めました。
特に多く上がったのは「冷やし中華」の肝の一つ、電子レンジで加熱した際の調理具合のご意見でした。
氷と麺、最適なバランスを探し出せ!
ニチレイフーズの「冷やし中華」は、電子レンジで加熱すると冷たい麺に仕上がる、というこれまでにない調理とおいしさを提供している商品です。
電子レンジで氷ごと加熱。溶け残った氷を麺と混ぜることで、冷え切った冷やし中華が出来上がる設計。
しかし、使用する電子レンジの機種によっては、氷の溶け具合に差が生まれてしまうことがありました。そのため「氷が全然溶けない」、逆に「氷が溶けすぎて冷えにくい、麺が温まりすぎた」といった声が寄せられたのです。
一人でも多くの方に「冷やし中華」をおいしく食べていただきたい。
そんな思いから、蟹沢は氷と麺のバランスを見つめ直すことにしました。
二人三脚でリニューアルに取り組んだのは、ニチレイフーズの山形工場です。
「冷やし中華」の発売にあたって、ニチレイフーズは山形工場に個食生産ラインを設けました。製氷機は「冷やし中華」のために導入された機械の一つ。
蟹沢はリニューアルにあたり山形工場の開発担当者とともに氷と麺のバランスを調整し、最適な量を導き出すことにしました。
サンプル品を試食し、山形工場へとフィードバック。これを何度も繰り返し、氷と麺のバランスを決定しました。
写真は2022年モデル
氷の調整と同時並行して、蟹沢は具材の見直しにも奔走しました。
新たに加わった、“ニチレイらしい具材”
「具材が5種類も入っていてびっくりした!」
好評なご意見をいただくたびに、蟹沢のやる気に火がつきました。
蟹沢
冷やし中華にマッチし、満足感がある具材は何か…。候補に上がったのは、蒸し鶏でした。
一般的に、鶏肉は加熱、冷凍などによって繊維が破壊されてしまうと、パサついた食感に感じる場合があります。
その壁を乗り越えられたのは、ニチレイフーズが培ってきたあるノウハウにありました。
ニチレイフーズが展開する冷凍食品の中には、鶏肉を使用した商品が多数あります。よりおいしい商品を目指して長年研究を積み重ねてきたなかで、鶏肉のパサつきを抑えることができる下ごしらえがありました。
このノウハウを、蒸し鶏の調理工程に活用。冷凍・解凍してもパサつきが少なく、満足感も高いことなどから、これまで入っていたカニカマに代わる新たな具材に選ばれました。
蟹沢
煮豚の「茶」、オクラの「緑」、錦糸卵の「黄」、紅生姜の「赤」、そして蒸し鶏の「白」。
さらに彩り豊かな一皿となりました。
味の決め手・タレもリニューアル。
3種のお酢を配合した甘みとコクにこだわったタレ。お客様のアンケートでは味わいにご満足いただいているという意見が多かったものの、「さっぱり、すっきりとした酸味が欲しい」という声も多数寄せられました。
爽やかな味わいを足すために、着目したのは果汁でした。
蟹沢
こだわりであったタレの甘みはそのままに、自然な爽やかさをプラス。全体の味のまとめ役としてバランスの良かった、りんご果汁が選ばれました。
蟹沢
「また食べたい!」 新たな夏の風物詩を目指して
氷、具材、タレ…。さまざまな角度から味わいを改良した2024年の「冷やし中華」。
実は、今回リニューアルしたのは商品の“中身”だけではありません。
蟹沢
疑問を持った蟹沢は、パッケージのデザインを担当するマーケティング部に相談。店頭に並ぶ商品の多くは値札でパッケージ下部が隠れてしまうことも考慮して、「冷やし中華」の一番のアピールポイントである「レンジで冷たく仕上がる」というフレーズを、商品名の横に大きく掲載することにしました。
こうして中身もパッケージも大きくリニューアルした「冷やし中華」。
3月1日から2024年春夏シーズンの「冷やし中華」の販売が開始しています。
近年、猛暑日が年々増加しています。気温の高まりによって「冷やし中華」の需要がさらに伸びると予想し、販売予定数は昨年の1.2倍を見越しています。
蟹沢は「冷やし中華」への想いを語ります。
蟹沢
手に取ってくださる皆さんのことを想い、驚きと心温まる食体験を提供するために。
ニチレイフーズの挑戦は続きます。
過去の記事もぜひご覧ください!